JBL C38 Baronをマルチアンプで鳴らす。
LT LINEAR TECHNOLOGY リニアテクノロジー Sa-321 パワーアンプ 3way Systemは他に余り類を見ない不思議なパワーアンプです。
その仕様ですがプリアンプからのアウトプットを受けるためのライン入力とCDプレイヤーを直接繋ぐインプットを備えています。
さらにネットワークを内蔵していて信号を3ウェイ化して出力します(7k以上と7kから500Hzそして500Hz以下)。
つまりハイとミッドのスピーカーへの出力機構を持っていて、合計4ch分のパワーアンプを内蔵して各々のスピーカーアウトを備えています。
ローは外部アンプを使用するためのプリアウトを備えています。
フロントパネルで3wayそれぞれ、ゲインを調整できるようになっています。
ものすごく特殊ですけれど、プリアンプにこのSa321ともう一台Lowを受け持つステレオパワーアンプが有れば、非常にスマートな3Wayのマルチアンプ化が完成するのです。問題はこのSa321のネットワーク乗数で私のJBL スピーカーシステムBaronが活きるかどうかという事です。
Baronのオリジナルネットワーク JBL N1200のクロスオーバー周波数は1200Hzです。前回からBlogをご覧になっていらっしゃる、読者の方は、クリーン電源を導入したリして私のオーディオシステムも随分満足度が上がっている事をご存知だと思います。
あえて絶好調の時に何故システムの音質の根幹に関わる部分を弄るのか!
自分でも理解できませんし、今回の無謀な思いつきにどう対応して良いのか、とても悩みました。泣…笑
で…ポツリますた。 (^^;;;;
このAMPを使って鳴らそうとしているのはJBL C38 Baronです。そしてJBL2405を追加しています。夫々のユニットのF特性を比較して検証してみました。
WF 130AのF特性です。
JBL 130Aを500Hzで切っちゃって良いのか? この特性を見ると130Aの美味しいところって500〜900Hzの特性にあるのじゃ無いのかしら?と心配しました。下のF特性を見ると550Hz辺りに小さなディップがあってそこから700Hzにピークが来て1500Hzに向かって落ちてゆきます。下は随分伸びていて50Hzくらいまで音圧が出ています。
MiDに使用するLE175 DLHの F特性です。
LT Sa321を使うと500〜7000Hzを受け持つように成るけれど、下が500Hzは厳しいのでは無いだろうか?と心配しました。 下のF特性を見ると650Hzにピークが来ていています。500Hzはギリギリだと思います。今回切り分けて使おうとしている帯域は500〜7000Hzでかまぼこ型になっています。但しこれに蜂の巣状のホーンが着くわけです。そうすると90° 水平・垂直方向に音響レンズで中高域が広がるわけでありますが、Sa321はマルチアンプなのでゲイン調整が出来ますから、この調整が一番面白くなりそうな調整域になります。
JBL 2405のF特性
Hiについて現在はJBL2405を1.0μFコンデンサーのみで低域をカットして追加しています。 計算ではちょうど10kHzのローカットになります。 7000Hz〜で繋いで大丈夫だろうか?と言う不安がありましたが、 F特を見ると2405の周波数特性は4kHz~21.5kHzが問題なく使えそうです。
この様にオーディオ沼に自ら飛び込んでいく時は、私のバイブルでもある岩崎千明先生のオーディオ彷徨 「私とJBL物語」を読み返します。きっと救いがあるはずです。
岩崎千明先生は随分長いことD130を一発で平面バッフルに着けて聴いてこられました。
やはりD130は200から900Hzの特性が特に人の声に大きな影響を及ぼして居て、先生曰く人の声の再現性では抜群なのだそうです。
130Aは其処まで上が伸びてはいませんが、最近いろいろ調べていると130Aにも数種類あることが解ってきました。(特にコーン紙の重量とエッジの違いVCの仕様も)年代の違いで3種類程に分類されるのですが、バリッとした乾いた低域が出るのは初期のフィックスエッジのモデルのようです。
先生はD130に合わせるために、山水がJBLを扱うようになり、そのユニットが国内で割に容易に入手できるようになって、先生がまっさきに狙いをつけて買い入れたたのは、高音用の175DLHだったそうです。
先生はこの175DLHをえらく気に入って使い込んでいます。 しかしJBL N1200というネットワークと組み合わせて使い始めるとD130を入れる箱で試行錯誤されていたみたいです。そしてどうあってもD130と組み合わせでいい低音を出してやるぞ。と….
オーソドックスに考えて、低音をいろいろ変えられるように、N1200で繋ぐのをやめてマルチ・アンプ駆動を試みています。
ここで今私が悩んでいる状態とシンクロしてくる事になります。チャンネルデバイダーを使って、周波数の切り分けをしてゆくシステムになるのであります。
先生はオーディオ評論家の中でも極めて大音量、爆音に近い音量で音を出された方です。当初はマランツ16を使われていてその後は更にハイパワーなアンプに移行されてゆきます。 それに伴ってMIDの175DLHもHL91プラスLE85に変わりカットオフ周波数も800Hzから500Hzに落ちてゆくのです。
175は1200HzだからLX5と組合せるのは間違いといわれるかも知れないが、家庭用としてあまり大音量でなければ、ユニット自体の許容範囲が500Hzなので使用は差支えない。と書かれています。この一文が今回の僕の気持ちの中でSa-321への背中押しになりました。
このアンプは今週末に届きそうです。
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こんにちは。岩崎千明とD130、この言葉で一気にあの時代の雰囲気を思い出します。若かりし頃ゆえJBLとは4301と付き合っただけで終わりました。それもわざわざ日本からこちらへもってきたんですが、音のヌケがドイツの乾いた空気と硬い家屋のせいかまったく違ってカンドーすらしました。けっきょく大型スピーカーとは縁がなく、BL C38 Baron+JBL2405をおもちの師匠が羨ましいです。
わたしは今はもっぱらPCオーディオで聴くハイレゾ・ストリーミングで満足しています。以前にもお話しましたTIDALにくわえてQOBUZも契約しました。TIDALのMQAの音に不満がでてきてしまいました。QOBUZならFLACで聴くことができます。ADAM Audioというベルリンのスタジオモニター専門のメーカーのARTツィーターはかなり優秀で50kHZまで解像します。むろんそんな音は聞こえはしないのですが、全体の解像度には影響しているのが感じられます。
投稿: Masato Murata | 2021年5月19日 (水) 06時40分
Sa321ご購入おめでとうございます。
搭載されているのは現行仕様の超低歪AMPです。
使い様によっては、笑える位良くなると思います。
懸念点としては、
JBL C38 Baronを どの様に鳴らしたいのか?と、云う点です。
ポイントはHL87です。
ザックリ云ってホーンは開口面積で使える周波数が決まります。
(開口面積から算出すると 2kHz~ が理想)
が、これを音響レンズ?等の味着けによって、取りまとめています。
「JBL C38 Baron鳴らす」と云う意味では方向性が違います、が。
ホーンを2370に変更して箱の上に出しましょう。
(可能であれば、2386(+HA1-14+HA14-2 スロートアダプター)がモアベター)
2405・LE175・130Aのユニット・箱 が揃っているので、2370を追加すると可能です。
これはむしろSa321を活かす変更です。
かなりのハイクオリティになると思います。
HL87から浮気する気持ちになったら考えてみて下さい。
投稿: same-bbm | 2021年5月19日 (水) 16時28分
Murataさん
書き込みを頂いていたのに、見落としておりました。 すみません
カメラレンズもオーディオもドイツやヨーロッパでで使うと音も写りも違ってきますね
本当に不思議です。
やはり空気が違うのかとしか言いようがありません 笑
ハイレゾストリーミングにいまいち踏み切れていません。 悩みまくっています。
Masa拝
投稿: Masa | 2021年11月19日 (金) 06時05分
same-bbmさん おはようございます。
書き込みを頂いていたのに、見落としておりました。 すみません
>Sa321ご購入おめでとうございます。
ありがとうございます。
>懸念点としては、
>JBL C38 Baronを どの様に鳴らしたいのか?と、云う点です。
>ポイントはHL87です
仰るとおりです。
>かなりのハイクオリティになると思います。
>HL87から浮気する気持ちになったら考えてみて下さい。
アドバイスありがとうございます。
2370も考えたのですが
パイオニアのホーンにLE85を合わせて乗っけてしまいました ...笑
顛末は拙いBlogを見て頂けていればお分かりだと思います。
そしてCDP-01も来てしまいました...(^^;;;;
投稿: Masa | 2021年11月19日 (金) 06時18分