Leica SUMMILUX-SL F1.4/50mm ASPH
2016年末このレンズの発売がされた時に、此のBlogで、大きいとか,重い1kgも在るんですぜとか散々に書いておりましたが、あらら....いつの間にかポチッといっておりました。
いえね でも...散々 待ち続けました。この一年間あまり...ハイ
待ち続けたレンズはアポ・ズミクロン SL f2/75mm ASPH.なんですが、当初は2017年夏発売だったアナウンスがいつの間にか秋頃発売に変わって、今は2017年内発売予定に成っておりますが、一向にその気配はありません。
実は待ちきれずにライカ銀座の係りの オネイサンには何か情報があったら、電話してくださいね とお約束している次第です。
そんな折も折、長男殿から「ライカM10ユーザーに成りましたぁ」などという写真付きのSNSが送られてきて、「それでは、お祝いに鮨でも食うか?」ということに成りました。
長男殿持参のブラックのM10ボディには定番のSummicron 35mmF2.0 ASPH Ver.6th が装着されておりました。このレンズはメタルフードが偉くカッコイイ
少し複雑な心境(蛙の子は蛙…ライカ沼に親子で… ううぅ)
ライカ談義に花が咲き ビールの酔も廻った頃に「ああぁ イカン これから年末年始に子供に対抗できる機材が無い」→ 「ううぅ〜む」→「なんか欲しい」の物欲方程式が脳内形成されてしまいました。
所謂 物欲の連鎖というやつでしょうか?
ところで、SUMMILUX - SL F1.4/50mm ASPHについてネガティブな事を書いていたのは、自分的にどうやって消化したのか?
デカイ・重いと言っていたのはどうなったのか?→シグマの50mm F1.4 DG HSMもそれなりに大きくて重い……800gちょっとか(シグマと比べてどうする〜)
ZEISS Otus 1.4/55はマニュアル仕様で1,030 gと1k超えだから変わらんやないか!レンズ構成や枚数がほぼ同じなんだから、逆にAF組み込んで約1,065gに抑えたライカ ズミルックスSL f1.4 /50mmASPH は凄いんじゃないの〜
などと訳の分からない言い訳を考え出して、ポチッを正当化してるのね
で…もう少し真面目に何が決め手かというと、このレンズのMTF性能曲線図の素晴らしさです。
実はライカR時代のズミルックスレンズは、どちらかと言うとノクチルックスに近いレンズでピーカンの昼日中に使うレンズでは無かった。絵に成らなかったのである。所謂 黄昏時に実力を発揮するレンズでした。低照度下で僅かな光の明暗差を捕まえる事ができると、暗部のグラディエーション再現性を含めて非常に絵心の有る写真が撮れた。
さて13年ぶりに発売となったSUMMILUX-SL F1.4/50mm ASPHはどうでしょう?
絞り開放 f1.4からコントラストが高くMTFデータでほぼ90~99%に近い値を維持していて解像度も80%台だ。f5.6まで絞り込むと性能は更に上る。
もちろん既に使い倒しているVario-Elmarit-SL 24-90mmASPHも十分過ぎる解像度なんですが、SUMMILUX-SL F1.4/50mm ASPHは絞り開放からキレッキレのシャープな写りです。もちろんコントラストも高い。これはちょっと異次元の写りだ。
ちなみにライカ ズミルックスSL f1.4 /50mmASPHのレンズ構成 は非球面レンズ2枚と異常部分分散ガラス4枚を採用した9群11枚。 レンズ内モーターによるAFで、フォーカシングによる全長変化がないインナーフォーカス方式です。AFは先に発売されたバリオ・エルマリートSL f2.8-4/24-90mm ASPHと比較すると若干ですが遅いように感じます。 が、問題になるレベルではありません。(ファームアップVer3.1によってライカ ズミルックスSL f1.4/50mm ASPH.のオートフォーカス精度と速度が向上しました。他のレンズと比較して遜色ありません。)
最短撮影距離は0.6mこれはちょっと長いかなぁ
サイズ(最大径×全長):φ約88×124mm 質量は約1,065g
カメラボディ側の記録媒体が映像素子になり、その性能が今後もどんどん高画素に成ってゆくデジタルな未来を考えると、レンズ性能的には1億画素に成っても対応可能な光学特性を維持しておこうという事になる訳で、特にライカSやSLのレンズは単色収差を抑える目的で非球面レンズと異常部分分散特性に優れた硝材の組み合わせで、単色収差をコントロールしているようです。
非球面レンズの取り組みは日本のカメラメーカーでも行われているが、一番大きな問題はコスト面と量産性の両立だ、日本のメーカーはガラスモールドを主流に非球面対応を行っている。非球面レンズの製法は大きく3つに分類されてろり、ガラスモールド以外では、研削加工機を使って直接ガラスを研削して面形状を創生する”研磨非球面レンズ”、非球面ガラスの上に樹脂を用い非球面とする“複合型(ハイブリッド)”がありますが、ハイブリッドは安価なレンズに使われる場合が多い。
ライカ社で最初に非球面レンズを使ったのが1960年代のノクティルックス50mm F1.2でした。当時の非球面レンズは手磨き研磨による製造で、非常に手間がかかった。そのためノクティルックスM f1.2/50mmは、1966年から1975年の間にわずか1,500本ほどしか製造できず今でもプレミアムが着いている。
ライカの非球面レンズ開発は更に進化して、ガラスモールドだけでなく研磨非球面レンズの製造技術も進化させている。その転換点といえるレンズがアポ・ズミクロンM f2/90mm ASPH.の非球面レンズですね。
非球面レンズの第4世代といえます。このレンズは色消しのアポレンズと非球面レンズを組み合わせだ。
ライカカメラ社のレンズ開発責任者であるピーター・カルベ氏云わく、硝材的にモールド成形が難しいものに関しては切削非球面で対応しているとの事です。ガラスモールドの場合は金型を磨き込み、切削の場合はQEDシステムと呼ばれる装置を使ってレンズ側の磨き込みを行っているそうです。
結果 SUMMILUX-SL F1.4/50mm ASPHは全撮影距離で絞り開放f1.4の開放値で高画質を実現している。被写界深度を浅くして被写体の一部を際立たせ、シャープな部分から驚くほどなめらかにボケていく、立体感あふれる描写が可能になった。最高水準の光学性能と新たな基準を打ち立てたとライカがアナウンスした訳ですが、確かに凄い!
こんなレンズ見たこと無い。
実は量産領域で単色収差補正をやるのはとても難しいのと、真面目にやればやるほどにコストが掛かる。つまりレンズの価格が高くなるわけですが、それが商品化できるのがライカの真骨頂だと思います。
ピントが合焦している部分の立体感がよく分かる作例を貼っておきます。是非オリジナルサイズの画像を見てやって下さい。驚愕の解像度です。
レンズ焦点距離50mm 絞り f1.4 1/50sec ISO80
オリジナル サイズの画像(6000 x 4000)はこちらから入れます。
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はじめてコメントさせていただきます。
blogをみてSL50mmにとても興味が湧き、購入しようかなーと迷っております^^;
最近のSLファームアップで50mmのAFスピード向上とあるのですが、体感的にわかるようなものでしょうか?ファームアップでどれくらいの改善がなされているか気になってます。教えていただければ嬉しいです。よろしくお願いします。
投稿: くま | 2018年2月23日 (金) 23時47分
くまさん こんばんは はじめまして
ファームウェア3.1で50mmのAFスピードは確かに向上しました。といっても元々使えないほど、遅いわけでもないので、ネガティブな事は書かないほうがよかったかしらと思っております。
実はもう既に前のVerがどうだったか忘れております...(^^;;;
どのくらいの改善なのかとのご質問ですが、あえて思い起こせば感覚的なことなので表現が難しいのですが、
スゥがスッに成ったくらい ....(笑)
他のSLレンズと比較しても特に遜色無いですから、宜しいのではないでしょうか?
投稿: Masa | 2018年2月24日 (土) 03時31分
こんばんは。
お返事ありがとうございます。
わかりやすい表現で参考になります。AFはとにかく遅いといろんなところで言われてますが、そもそもそれも体感的にはそんなことがないってことがわかって一安心です。
今、24-90.90-280の2本を使ってるので、遜色ないようでしたら、50mmも購入しようと思います。ありがとうございます!
投稿: くま | 2018年2月24日 (土) 22時57分
くまさん おはようございます。
僕も購入前は悩みましたが、手に入れてよかったと思っております。
Blogにこのレンズの好さがよく分かる絞り開放で撮ったピントが合焦している部分の立体感がよく分かる作例を追加しておきました。
是非オリジナルの画像を見てやって下さい。
投稿: Masa | 2018年2月25日 (日) 05時08分